━前略━

わたしは、時々考える。
「ヴァイオリンなんかひいて、なんのためになろう」と──。

「そう。音楽は、心の病気を治す。気分をよくしてくれる。
音楽には自分の性格が表れる。美しい音でひこうと思ったら、
心も美しくなければならない。すき通った音を出したければ、
心もすき通っていなければならない。音は、人の心である。」

わたしは、大塚先生からさずかった、素直な気持ち。
渡辺先生からいただいた、根性、何にも負けず、
前へ前へと進む気力。そして技術。
これらを生かした音楽を通して、たとえ少しでも、
人々に、楽しんでもらいたい、と思う。

━後略━

梅津美葉作文「ヴァイオリンに生きる」より
(昭和60年度読売新聞社・文部省作文コンクール入賞)

1987'4'4 - A Little Recital